私の脱ステロイドからの回復を一気に速めてくれた切り札となったのは、間違いなくカッピング瀉血でした。瀉血は、体に溜まった古い汚血(瘀血 おけつ)を吸い出す治療です。アトピーの瀉血に関しては賛否両論あります。しかし私の場合、普通に過ごしていても痒くて傷になったところから古い血がどんどん出てきました。明らかに体が古い瘀血を出したがっていました。結果、私には瀉血がとても合っていました。
この記事ではカッピング瀉血の基礎知識と治療法、効果についてお伝えします。あくまで私自身の体質と症状から見た考察ですので、やるかやらないかは自己責任でお願いします。
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瀉血治療のきっかけとなった背中流血事件
28年間使い続けたステロイドを辞めたのが2012年4月。それから壮絶なリバウンド症状を経た1年3ヶ月後、火を噴いたような激しい痛みやかゆみはなくなったものの、まだ肌表面はカサカサしていました。7月中旬のある日、デスクワークをしていたときのことです。
背中の肩甲骨付近がかゆくなったので無意識に掻いていました。しばらくすると背中が塗れたような湿っぽい感じがしていました。夏だったので汗をかいたのだろうと思い、あまり気にしませんでした。しかし背中から液体が垂れてくる感触があったので触ってみると、触った手に血がべっとり付いていたのです。
驚いて洗面所へ行き、服を脱いでみました。すると、背中から暗い色の血が流れ出ていて、服が汚れていました。後ろから刺された人のようになっていましたが、痛みは全くありません。
ティッシュでおさえても黒い血は溢れ出てきました。溢れ出てくる血が止まらないので血液の病気かと思いましたが、血が止まらないのは一カ所だけでした。
30分ほどしてようやく血が止まりました。背中からこんなに大量の血が出たことはなかったのでビックリしました。しかし血が止まったあと、何ともいえない気持ち良さを感じたのです。背中や首の重だるさがなくなり、ふわっと軽くなって眠くなりました。
そのときの快感が後になってからも忘れられず、「また背中から血が噴き出さないかな」と思うようになったのです。
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瀉血治療はどのように行なうか
瀉血治療は、皮膚に鍼灸用の鍼で穴を開け、カッピング(吸い玉)を使って瘀血を吸い出して行なわれます。韓国では民間療法でもこの治療が取り入れられています。しかし日本では皮膚を切開するのは医師しか認められていません。よって、日本で瀉血治療のできる病院は限られています。
瀉血治療の手順はこちらをご覧ください。
ドクターズ・カップクレンジング|青山からだのクリニック ドクターズカップクレンジング カッピング・瀉血のクリニック
私もこの青山からだのクリニックに通っていました。
血が苦手ではない方はYoutubeで「瀉血」と検索して出てくる動画も参考になると思います。(刺激が強いのでリンクは貼りませんが・・・)
参考書籍
汚血を出せば細胞は若返る! 石原 潤一
あらゆる病気の原因は「お血」にある 蔡 篤俊
瀉血治療のメリット
冷え症が改善する
瘀血が溜まると血液の巡りが悪くなり、体が冷える原因になります。カッピング瀉血によって瘀血を出すことで、血液や細胞の働きが活発になり、血液の巡りがよくなります。よって冷えの改善にもつながります。
現代人は下半身が冷えていて、上半身がのぼせている人が多いと言われます。「頭寒足熱」という言葉がありますが、下半身は温かく、頭は下半身に比べて冷えているのが理想的な状態です。カッピング瀉血によって瘀血を出すことで、頭がのぼせている状態が回復し、下半身にも血液が行き渡りやすくなるそうです。
頭がすっきりして眠りが深くなる
現代人の頭がのぼせて下半身が冷えている原因は、頭の使い過ぎとも言えます。明治時代〜大正、昭和初期にかけては、多くの日本人が肉体労働を行なっていました。足腰が鍛えられると下半身が温かく強くなり、丹田も鍛えられます。しかし現代に生きる私たちは、デスクワークでパソコンやスマホを見る機会が増えています。そうなるとどうしても頭に血が上ってしまいがちになります。この「のぼせ」が不眠の原因になります。
頭や顔にアトピー症状が出ている方は特に、頭であれこれと考えたり悩んだりする傾向が強いです。そういった場合は頭にのぼった血を下半身におろすことで、眠りが深くなり、皮膚症状も改善しやすくなるでしょう。
初めてカッピング瀉血を行なった日、首の付け根から頭に溜まった瘀血を出してもらいました。そのとき、それまで味わったことのない爽快な感覚がありました。脳内にある余計な考えやトラウマ、邪念までもが、瘀血と一緒に吸い出されているような感覚でした。
その夜は数年ぶりにぐっすり深く眠れて驚きました。朝の目覚めがこんなに気持ちいいと思ったのも久々でした。
ストレスが原因で眠りが浅くなっている方、寝付きが悪い方は、頭にのぼった瘀血を出してみるとスッキリ深く眠れるかもしれません。瘀血を出さなくとも、冬でも氷枕を使ってみると、眠りが深くなることを感じられると思います。
※瀉血は医療行為ですので、必ず医師に行なってもらってください。
赤みや痒みがひく
アトピーの赤みの原因は、皮膚表面のうっ血です。つまり、古い瘀血が皮膚表面近くに溜まっているから、赤みになっているのです。赤みの原因を薬で抑えるのではなく、取り除けば、今そこにある赤みが消えます。体内に瘀血が溜まっていればまた皮膚表面に出てきますが、体が自然に出したがっているものは早く出してあげた方が良い、と私は考えています。
瘀血が出て赤みが引くと、かゆみもひいて楽になります。
ある意味、ステロイドよりも即効性が高いです。
「ステロイドを使い続ける前に、瀉血で症状をデトックスさせておきたかった」と今なら強く思います。
皮膚がやわらかくなる
皮膚のカサカサの原因は老廃物です。これは脱ステロイドから回復した今、実感しています。デトックスによって老廃物を出せば、冬になっても乾燥でかさつくことがありません。オイル保湿で熱がこもって炎症が起こることもありません。毒素を出せば出すほど皮膚が白くやわらかくなります。
私は生まれた時からずっとアトピーでステロイドを塗っていました。しかし脱ステをしてから年々、「自分の肌がこんなに白くてやわらかいなんて!」と新鮮な感動があります。
アトピーではない方も、細胞を活性化する瀉血治療には。肩こりやだるさ、頭痛の改善などの効果があると思います。
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瀉血治療のデメリット
アトピーで脱ステ中の人には良いことづくめと思われる瀉血治療ですが、デメリットもあります。私が瀉血治療をしていることを伝えると反対した治療家さんも数名、いました。具体的にはどんなデメリットがあるのでしょうか。
好転反応で症状が悪化する可能性がある
ステロイドで症状を抑制している方、症状を抑制してきた期間の長い方は、瀉血治療によって好転反応が起こり、一時的に症状が悪化する可能性があります。一度デトックスのスイッチが入ると、体内に溜まっていた毒素がどんどん出てくるようになります。この症状に耐えられるか、もう少し抑えながら出していきたいかによって、瀉血治療といかに付き合うかを考えた方が良いでしょう。
血が足りなくなり、貧血のリスクがある
漢方の考え方によると、アトピーを発症している人は以下5つのタイプに分かれます。
【1】「湿熱内蘊」→ 湿熱タイプ – 体内に溜まった余計な水分が熱を持って炎症化するタイプ
【2】「血虚生風」→ 血虚タイプ – 皮膚を温めたり潤わせたりする血が不足することで皮膚が乾燥し発症するタイプ
【3】「陰虚内熱」→ 陰虚タイプ – 血虚がさらに進んだタイプ
【4】「血熱生風」→ 血熱タイプ – 血に熱が入りこんで発症するタイプ
【5】「虚陽上浮」→ 陽虚タイプ – 体を温める力がなくなって発症するタイプ
同じアトピー症状でも原因は人それぞれです。
血は体を温め皮膚を作るために欠かせない要素です。私は脱ステ時、【1】の湿熱タイプでした。湿熱タイプの方には瀉血治療が向いていますが、血が足りないことでアトピー症状が悪化しているタイプの方は、瀉血治療は避けておいた方が無難でしょう。
参考サイト:アトピー性皮膚炎について
感染症のリスクがある
日本において瀉血治療は病院以外では禁止されています。非合法で行なっている民間治療院や、衛生管理が整っていない状態で行なうと、感染症のリスクがあるのでご注意ください。
上記を踏まえて情報収集した上で、瀉血治療自分に合うか合わないかを考え、やるかやらないかを判断してみてください。
私は今、デトックスがだいぶ進んだので、さほど瀉血をしたいと思わなくなりました。瘀血もそんなに出て来なくなったので、瘀血が溜まりにくい体質に変わったのだと思います。今はマッサージやヨガで血流を良くして血液浄化を行なっています。
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瀉血治療が合う人・合わない人
私個人の見解では、瀉血治療で気持ち良さを感じる場合は合っているのだと思います。痛みや苦痛を感じる場合は無理をする必要はありません。私の場合は、とにかく体内の毒素を出したい!抜きたい!気持ちが本能的欲求レベルで強かったので、合っていたのだと思います。
頭で考えて判断するよりも、体が気持ちいいと感じるかどうかの基準で判断されると良いでしょう。
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全国の瀉血治療を行なっている病院一覧
関東
東京都港区白金台:石原内科クリニック
東京都港区青山:青山からだのクリニック
東京都渋谷区初台:蔡内科皮膚科クリニック
関西
九州
福岡県福岡市博多区:昌樹医院
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